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    あれやこれやのなんやかんや

    多趣味というか関心のあるものが多いので、趣味のことから政治的なことまで書きたいことを書きたいように書いていきます。

    Category: 音楽 > LIVEレポ   Tags: LIVEレポ  

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    Oneohtrix Point Never VS. Patten @代官山UNIT


    ついに!ついに!ついに!!
    ワンおーとりっくすポイントねばぁ~~の初来日公演に行ってきました!!
    しかもゲストはWARPの大型新人ぱてん!!

    こんな、電子音楽と現代音楽の極北のような音楽が前売りでSOLD OUTというのはすごいですね。

    OPNについてはコチラでも書いてるので、いったい何者なんだ?という方は読んでみて下さい。
    極私的今年のアルバムBEST10!!
    ちなみに1位ですw

    物販のTシャツはすぐに売り切れてましたねー。

    自分はLP3枚(オウテカ、OPN、Patten)と、OPNやPattenなどのWARPのアーティストのアートワークを手がけているTim Saccentiという写真家のフォトブックを買い漁りました。げへへ、おかねきえた。
    このフォトブックがおもしろくて、300册限定らしいんですが、表紙の数字の羅列にマーカーを直接引いて通し番号にしてるみたいなんです。帯は広げるとPattenの浮遊写真のポスターになってました。
    中身はというと、なるほどねぇ~wという感じでした。あのOPNの顔の逆さ仮面の写真も入ってました。
    かなり構築的に狙いすましたフォトアートだなぁと思いました。自分には一生撮れなそうな(泣)w 
    写真をアートとして、一から(被写体の時点から)構築できる写真家って強いですね。
    自分は偶然性の芸術や自然を最解釈するような芸術が好きですが、こういうのもいいなと思えました。

    OPNは前作「Replica」と最新作「R plus 7」はLPで持っていて、PattenはOTOTOYで買ったハイレゾ(24bit/44.1kHzのHQD)で持っているので、PattenのLPとOPNの「Returnal」のLPを買いました。オウテカは比較的安かったのでノリですw ノリでオウテカ買ってる辺りアタマおかしいですが、この日UNITに集まってた人はみんなアタマおかしい人たちなのです。
    ちなみにOTOTOYではOPNとPattenのハイレゾ(24bit/44.1kHz)が購入できます。→新鋭、パテンのアルバム、そして昨年の超話題盤OPN、WARPの音源をハイレゾで!
    180g重量盤のLPと、24bit/44.1kHzのHQDってどっちがいいんだろう。かなり微妙なとこな気がします。
    実はOPNのHQDも買おうかで悩んでるんですが、そしたらOPNはCDとLPとHQDで持つことになるのでいよいよアタマおかしいなとw。
    とりあえず、しばらくはPattenで聴き比べてみます。

    さて、前置きはこの辺にして、そろそろライブレポにいきたいと思います。
    SOLD OUTということもあって、UNITはパンパンの満員電車状態で、割としんどかったですね。
    倒れてしまった人も見かけました。でも満員電車状態であろうとなかろうと、体調崩す人がいてもなんらおかしくないライブであったことはまず初めに言っておきますw。このレポもそれを覚悟の上で読んで下さいw。

    出たなPatten!!
    まず、あんな知的で不思議な電子音楽を鳴らしていたのがスマートな黒人さんであるということに驚きました。

    改めて出回っていた写真とかを確認してみても、作為的な感じが見受けられます。
    狙ってやがったなコノヤローw。
    先日、アカデミー賞作品賞の『それでも夜は明ける』を観ていたので、余計に「凄い時代になったもんだ」と思いました。

    初めはノイズが中心で、つかみ所がなかなか掴めない感じでした。音も写真も、ノイズだらけです。

    しかし、次第にクリアになってきて、ノイズの中からハッとするような音が見えるようになってきました。
    セットは、MacBookとミキサーと、ギターとヴォコーダーでした。
    ギターとヴォコーダーというのは秀逸でしたね。ヴォコーダーの正しい使い方を久しぶりに見れた気がしますwww
    ノイズの中に溶け込みながらも一定の主張を続ける生身の即興が、そのまま彼の音楽的立ち位置を示しているようでした。

    ノってきたパテンは、高速で変化していく映像と音のただ中でアサヒスーパードライをぐびぐびw。

    ただ、よくも悪くも、パテンは無邪気すぎる感じがしました。
    脱構築を試みてはいるけれど、それをものすごく無邪気に、直感的にやろうとしちゃってる。
    だから明確じゃないんです。その明確でない部分が少し退屈だったり、何をしたいのかわからないと戸惑う方もいたんじゃないでしょうか。
    あとでまた書きますが、OPNがその先の新たな地平にいるのだとしたら、Pattenはまだその狭間にいる新世代のアーティストという印象です。

    しかし、そこはやはりWARPの新鋭。アルバム曲のビートの完成度は凄まじく、
    「複雑で知的だけど、不思議とノリやすさもある。」
    そして、「だからこそ知的でもあり、野生的でもある。」といった感じで、
    もう途中からはPattenとのリズム感真剣勝負に巻き込まれてしまいましたw

    最後の方で、意味不明な映像が高速で切り替わっていく中で、ミキサーを高速でいじくって音を変幻自在に変えていく様は、まさに野性的でした。しかし鳴っている音は、めちゃくちゃ知的なのです。
    いまはまだ世代間の狭間にいて、彼なりの新たな地平への模索を続けている段階
    のように思えましたが、まだ新人なのでこれからですね。
    そして、これから先、さらに刺激的で見たこともない世界を魅せてくれるかもしれないと、勝手な期待をさせるに足るパフォーマンスであったことは間違いありません。


    いよいよ、OPN先輩の登場です!!
    Pattenがど真ん中にいて、その映像はあくまで音に従属するものであったのに対して、
    OPN先輩ははじっこによけていて、映像を音と同列の地位に置いていました。
    これも両者の印象的な違いです。

    CGシュルレアリスムと、OPN先輩のシュールな音楽が、同一線上に同等の強度で並置されていました。

    CGシュルレアリスムとミニマリズム。
    このいくつかの不思議なオブジェが配置されたなかで、真ん中のオブジェだけがミニマルに揺れながら、崩壊と再生を繰り返していました。はい。意味がわかりませんw。

    ちなみにこれらの映像は、2011年にNY近代美術館でのマルチメディアパフォーマンスでもコラボした、彫刻家でヴィジュアル・アーティストのネイト・ボイスによるものであると思われます。ただ、全てではないかもしれません。
    この日、ステージの左端の方にいて映像を操作してたと思われる人物の情報がないので、確かなことは言えませんが。

    この最初に発表されたほうの「Still Life (Excerpt)」のMVはネイト・ボイスによるものです。
    このMVに出てくるような映像がかなり使われていたと記憶しています
    CGによる、内臓のような固形物と、機械のような人工物のモンタージュオブジェ。
    めまぐるしく回転を続ける謎のロゴ。そしてミニマリズム。
    有機物と無機物の、あるいは現実の、バーチャル上での非物質としての再構築。
    そして崩壊。

    ←→
    もはや意味不明。理解不能。複雑怪奇。
    ネコに小判。ブタに真珠。
    おれの耳にOPN(爆)。

    ← →
              ↓  ↑
    (ループしてた映像はこれで全部ではないですが...。)
    なにかをつかみかけたところで、更なる追い打ちをかけてくるOPN先輩w。


    と思ったら、花瓶に一輪挿しが、最新の電動アームみたいなやつに乗ってぐーるぐる!w

    もちろん映像だけではなく音も、とても先鋭的で、知的で、あるいはどこか懐古的で、まんべんなく刺激的でした。
    代官山UNITのJBL製スピーカーの音響はやはり素晴らしく、モニター的で超明瞭かつ定位バッチリの音の粒と、横方向に音が広がっていく広い音場がより一層OPNの音世界を正確に体験させてくれました。
    解像度がとにかく尋常ではなく、OPNが聴覚に直接作用するように作り込んで配置した音が、そのまま響いていました。
    一番下は心臓から下の身体が直接震え、一番上は耳に刺さって脳に響くところまで。
    音によっては、鼓膜には振動を一切感じず、耳の周りの輪郭に振動の余波を感じたり、髪の毛だけが共振する場面なんかもありました。
    こんなに聴覚が悦んで酩酊したのは、爆音大友克洋2013のときにリマスター版『AKIRA』で芸能山城組の音楽を爆音×サラウンドで聴いたとき以来でした。
    まさに視聴覚性知的興奮大爆発でしたw
    意味わかんないですね。だって意味わかんなかったんだもん(笑)。
    でも、長い間ずっと渇望してきたものを、確かに体感させてくれたと感じました。

    彼が試みているのはおそらく、脱構築と、脱ロジック。
    それは一聴(一見)すると、複雑怪奇で意味不明です。
    音楽という枠にすら留まらない、あらゆるところからかき集めた様々な影響を、すべて同列に扱い、混ぜこぜにして、脈絡もなく並列に並べ替えてしまったかのような。
    でも実は、めちゃくちゃ緻密で超知的なのです。
    ジョン・ケージやスティーブ・ライヒ、ブライアン・イーノやエイフェックス・ツインを経たうえで、
    音楽的な脱構築を、限りなく構築的にやってのけてくれたのだと感じました。


    それはものすごく現代的で、ニュートラルで、ふわふわしてて、ともすれば無責任ですらあったと言えます。
    だけど、同時代に生き、同じくニュートラルで無責任な我々を納得させるには、十分すぎるほどの強度と説得力がありました。


    それは、
    いままでに聴いたことがあるようで、聴いたことがない音楽として、
    いままでに見たことがあるようで、全く初めて目にする映像として、
    自分の脳ミソに直接届けられました。

    そしてそれは、確かな感動と幸福でした。

    ライブというよりも、紛れもない芸術を体感させてもらいました。

    OPN先輩はPattenと比較しても、そのビジュアルアートと鳴っている音が、意味不明でありながらも圧倒的に明確で、
    紛れもない確信犯であるということが伝わってきます。
    なので、彼自身の言葉に頼った方が理解しやすいと思います。
    ということで、2つのインタビューへのリンクを貼らせてもらいます。
    [INTERVIEW] Oneohtrix Point Never part1
    このインタビューでは彼の出自や、影響を受けた意外なものについての言及がなされていますが、かなり納得できます。
    重要な部分を少し紹介すると、
    「僕はアメリカ人の子どもみたいに育ったけど、家庭環境はロシア人の移民が両親という家庭だった。だから常に変な感じがした。家では僕はアメリカ人すぎたし、学校では反対にロシア人すぎた。自分がどこにも属さないように感じられた。」
    「全てのものをアラカルトで色々試してはみたけれど、本気で特定のタイプのグループにはまったりはしなかった。僕の人生そのものが、どこにも属さずに歩んできたものだったからだと思う。」
    これは、彼のアイデンティティーの希薄さ何者でもないニュートラルな感覚を、これ以上ない説得力で表しています。
    あと、このインタビューでおもしろいのはダニエル・ロパティン少年がニンテンドーの弾幕系シューティングゲームにはまっていて、『怒首領蜂』(どどんぱち)というゲームの映像や音からサイケな感覚や影響を受けていたという話。
    ゲームの映像も載せてくれてるんですが、これをダニエル・ロパティン少年がやっていたと思うと、爆笑と納得なのですw。あと「日本のジャズ・フュージョンの話をしよう。僕はT-SQUAREが大好きだ。」これも爆笑w 
    そして、「とても一般的なジャズ・フュージョンだよ。エレベーター・ミュージックみたいな(笑)」と説明しています。これが、とてもストンと腑に落ちるのです。
    part2では、彼が影響を受けたキューブリックの映画や、Georges Perecという人の文学についての話などが出てきます。
    伝統的表現方法に対する純粋な尊敬と、新たな表現に対する挑戦の姿勢と、そしてあらゆる影響を並列に扱うニュートラルな本質が読み取れます。
    そして、「「音楽の部分部分を、部分的に空いた環境と捉える」という概念が集まってこのアルバムという結果になったのだと思う。」と語っています。

    もうひとつのインタビューはWIREDが行ったものです。→イーノの正統的後継者? 2013年ベストの呼び声も高いアンビエント/エレクトロの異才”OPN”との対話
    このインタビューでは、OPN先輩がブライアン・イーノ大先生のエッセイから受けた影響などが語られています。
    あぁ、まただw。おれたちはブライアン・イーノ大先生の、あらゆるジャンルや時代をも網羅するその思想や影響から逃れることができないw
    また、『攻殻機動隊』の川井憲次氏や、『AKIRA』の芸能山城組からも影響を受けていると語っていますが、なるほど納得の音の質感と配置の作り込みです。それにしても日本大好きだなw!
    そして、無責任なほどに、本当にあらゆるものから影響を受けてそれを自分の中でまとめあげていますね。
    それが深いか浅いかも、自分の解釈が元ネタにとって正しいかどうかすらも、あまり関係ないんです。
    これは現代人としてものすごく共感できます。特に日本人の若者はかなり共感できるのではないかと思います。

    「ものごとの間にある違いを恐れるなということだね。違いこそが新しいものを生む」
    「イーノが過去のシリアスな音楽家たちの考えを踏まえながら語ったのは、音楽を、ほかの形式のアートや学問と同じようなものとして再発明できないか、ということだったんだと思うな。」「ぼくにとって音楽は、まだその幼年期にあるようなものに思えてならない。」
    「音楽は彫刻や文学といったものにより近づいていく」
    「超垂直的で濃度の高いものはつくりたくない」
    「水平でクリアな空間に、不思議なオブジェが互いに干渉しながらたゆたっているような感じ」


    ほらね、OPNの魅せる芸術は、全くこの通りなんですよ。
    完全に確信犯というわけです。

    電気が発明された以降の新しい音楽の歴史はまだまだ浅いし、これからなんだということをOPN先輩は教えてくれたのです。
    そして、構築的な脱構築という方法で、音楽を純粋な芸術として、ようやくシュルレアリスムの域にまで押し上げてくれたのです。
    そこでは、音楽と他ジャンルの芸術との境界もなく、CGシュルレアリスムと並置もすれば、美術館で彫刻家兼ビジュアルアーティストとコラボしたパフォーマンスだってするんです。

    そしてこれは、新世代である、"広義でのインターネット世代"の創作において、世界同時多発的にアンダーグラウンドで起こりつつある巨大な流れの一部であると言えるのではないでしょうか。
    ”広義でのインターネット世代”といったのは、インターネットはもちろん、それを通すことで全容がつかめないほどに膨大な蓄積と溢れ返る選択肢を得ているということと、現実の世界としても繋がりと同一化が進み、歴史的なアイデンティティーも芸術的なアイデンティティーも希薄になり、なにもかもがニュートラルになって、ふわふわ感がハンパないw、いまの世代という意味です。

    新たな"シーニアス"の世代はすぐそこまできています。
    Pattenもまた、その過度期にいる"シーニアス"の一人であることは間違いないのですから。
    (「シーニアス」とはイーノの造語です。またイーノかw。詳しくはこちらの記事の中で書いているので参照してみて下さい。→「モネ 風景をみる眼」を視た。

    そしてこの思想と閃きは、次にこのブログに書く予定の、ある無名な新世代の画家についての記事に対する布石であり、
    あるいは、もっと先の、5年後や10年後、新世代の創作が跋扈する世界に対する布石にすらもなりうるかもしれません。
    なぜなら、これはすでに有名で高尚なお固い批評家には理解しがたい、ふわふわ感のある無責任な若者世代によるものだからですw。(とはいえ、ちょっとここで書きすぎたかなw 次の記事でこれ以上さらに何かを書けるのか心配になってきたw)
    ←→      ↑ ↓
    ←→
    アンコールでは、OPN先輩は、さらっとアンビエントやドローンにも接近してみせてくれました。
    かと思えばいきなりノイズや無機的な音で裏切られる瞬間もあったり...。
    映像もこれまでとは一変し、主題であったかに思われたバイオも機械も姿を消し、石とガラスと煙をコラージュしたような映像になりました。
    軽快に。軽卒なほどに。ふわふわと...。

    あのとき、あの場にいた人は、この全く新しい芸術体験をリアルタイムで体感してしまったという事実を、
    多少戸惑いながらも、確実に、誇っていいのではないかと思います。



    以上、Oneohtrix Point Never とPattenの初来日のライブレポでした。
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    テーマ : ライヴレポ・感想    ジャンル : 音楽

    Category: 音楽 > LIVEレポ   Tags: LIVEレポ  写真  

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    新藤洋子Presents「破壊」@大宮ヒソミネ

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    3/16に、大宮のヒソミネというライブスペースで開催された「破壊」というライブイベントに行ってきました。
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    Anoiceの3rdアルバム「The Black Rain」のアートワークも手がけた、イラストレーターの新藤洋子さんの企画で、
    出演バンドはなんと、Ferri、sawako、Anoice、伊藤篤宏、という超豪華&超貴重な最高のメンツです。
    特に、海外での活動が多いAnoiceのライブを、フルメンバーで見れるなんて滅多にないことなのです。

    しかも新藤洋子さんの個展も同時開催されていました。
    まずは、その個展の様子からレポしていきます。
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    こんな感じで新藤さんの作品が展示されていたのですが……
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    大きなガラス面や、
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    バーの棚、
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    DSC_1589DSC_1590_1
    そして壁や床に至るまで、
    ヒソミネという空間の全てが新藤さんの色に塗り替えられていました。

    展示と、作品と、空間との境界がなく、
    そして客との境界すらもありませんでした。

    写真撮影は自由とのことでしたが、いったいどこをどう切り取ったらいいのかと、困ってしまいました。
    この空間を丸ごと捉えられる立体写真みたいなものがあればいいのになって感じながら、一心不乱にシャッッターを切ってシャッシーンを撮りまくりました。
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    以前は飛び出す絵本などを制作されていたそうですが、自分の感性が子供と合わないということに気付き、その道を改めたそうです。
    だから彼女の作品には(額に入っているものでも)すごく立体感があって、
    壁や床にたくさん散りばめられた蛾たちは、まるで絵本から飛び出してきたように見えました。
    ただし、その飛び出す絵本は一般的な子供向けのものではなく、とてもダークで耽美的な美しさを纏った、新藤洋子というアーティストの絵本なのです。
    それが、すごく自然なことに思えて、見ているこちらまで嬉しくなりました。
    DSC_1620
    ライブ会場の中までこんな感じでした。
    ヒソミネはライブハウスという感じでは全然なくて、会場もすごくこじんまりとしていて、キャパはおそらく数十人程度です。
    そもそもなんで大宮(というか宮原)なんだろうってのもあって、気になったので少し調べてみました。
    オープンしたのは昨年の5月で、まだ1年も経っていない新しいライブハウスなんですね。
    Ferriさんも在籍しているkilk recordsというレーベルが運営しているライブハウスで、いままでのライブハウスの常識を覆すような、全く新しいタイプのライブハウスのようです。
    「ライブハウス=黒くて煙たい」という暗いイメージを避け、ジャズバーを改装して小さいライブハウスに仕立て、全面を白色に塗った明るい印象の会場で、キャパは70~80人規模、ライブ中は2台のプロジェクターによって映像が投影されるという、斬新かつオシャレで良質な空間になっています。
    kilk社長さんへのインタビュー記事を見つけたので詳しくはコチラを読んでみて下さい→kilk recordsの奮闘から見る、音楽レーベルの未来

    これは、素晴らしい試みだと思います。
    日本の音楽界も、一部ではこうやってオルタナティブに様々な活動を展開して、良質な音楽を世に送り出してくれるレーベルや場が増えてきていて、すごくいい傾向にあると思います。
    ただ、そのどれもまだまだアンダーグラウンドで、しかも音楽市場規模が世界2位の日本よりも、海外での評価の方が高かったりするのが少し残念なところではありますが...。

    ちなみに大宮には初めて行きましたが、more recordsがあったりヒソミネがあったりと、なんだかすごくいい場所のように思えました。
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    駅前も結構栄えていて、巨大かつ意味不明な人形のオブジェを冠したパチンコ屋や、顔だけまんま過ぎておそろしい、植え込みのトーマスや、いまにも飛び立ちそうなロケットなんかもありましたw。
    西口にある「quatre cafe」というカフェが、おしゃれで落ちついた雰囲気ですごくいい感じでした。

    さて、ではここからようやくライブレポですw。

    1組目はFerriさん。
    Ferriさんは出産を経て2年半ぶりのライブらしく、超貴重でした。
    サポートメンバーを迎えてのバンド編成で、メインボーカルがFerriさん、コーラスがKotturのChiyoさん、ピアノとパーカッションがそれぞれAureoleのsaikoさんとkaoriさん、そしてギターがcellzcellarさん。
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    衰えることのないFerriさんのボーカル力と、重なって混ざって色彩を変えていくコーラスが涙ものの美しさでした。
    グロッケン、ウィンドチャイム、サスペンシンバル、フィンガーシンバルなどのパーカッションは特に秀逸でした。
    自分は高校時代に吹奏楽部でパーカッションをやっていたので、すごく懐かしくて、心地良くて、いいものを見せてもらいました。
    バックで鳴ってた音響ギターも、壁と地面を溶かすような奥行きと深みを作っていてすごかったです。
    体が空間に溶け出してしまうような、音と一緒に宙に浮いているような、あの感覚が。

    そして万全な状態ではなかったと本人が言っていたFerriさんのボーカルは、
    2年半ぶりということも、万全ではないということも、どちらも信じられないほどに素晴らしかったです。
    美しい響きの中にも一本の芯がしっかり通っていて、
    バンドによって押し広げられた音の中にあってなお、真っすぐに届いてきました。

    ピンと空気が張りつめたような緊張感があって、でもそれが歌や演奏や音楽に昇華されていたように感じました。
    ものすごく美しい音世界を構築していて、何度も目を閉じて聴き入ってしまいました。
    美しく、静かな、「破壊」でした。

    2組目はなんとあのAnoiceです!
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    なんとあのAnoiceのあの木戸さんの真横に陣取ることができました!!
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    エフェクター踏めちゃうくらい近かったですw。興奮して踏んでしまうとこだったw
    それにしても、セッティングからしてもう美しいですw
    この中央上部の、赤くてFilmsのジャケットのようなエフェクターは、他のメンバーが自作してくれたものだそうです。
    さすがのDIY精神w でも冗談抜きで、バンドなどの音楽活動においてDIY精神というのはものすごく重要なのです。
    AnoiceのメンバーはRiccoレーベルという素敵レーベルを運営していて、木戸さんはそこの社長さん代表尻拭い役でもあります。
    世界的なムーブメントとして盛り上がりまくっているポストクラシカルも、日本ではまだまだほんの一部のリスナーにしか届いておらず、そもそもそういう音楽をやっているアーティスト自体少ないのですが、Anoiceはその先駆者的存在なのです。
    特にギターのTakahiro Kidoさん、ピアノのYuki Murataさんはソロとしても世界的に活躍しているすごいアーティストなのです。
    そしてRiccoレーベルは、RiLFやMokyowやFilmsなどの良質なポストクラシカルを世に送り出してくれている素晴らしいレーベルなのです。まぁ分母が極端に少ないので、アーティストの使い回しは激しいですがw
    自分はRiccoレーベルのサンプラーCDが意味をなさないほどに、彼らの周辺から出てくる音楽を聴きまくっていますw

    そんなAnoiceのフルメンバーのライブが見れるということが、どれほどすごいことか!!
    それをわかっていただきたいw!! 
    しかもこの狭い空間に、数十人で独占状態!!もう、もったいないくらいなんですよ!!

    そんな興奮状態のなか、初めてライブで、しかも間近で見る木戸さんのプレイに注目していましたが、
    曲が始まるとすぐに、ゆきさんの演奏に目と耳が奪われてしまいました。
    奪われたどころの騒ぎじゃありませんよ。ありゃ強盗です。目と耳を強盗されました。
    それキーボードですよね?って疑いたくなるほど、ピアノでした。
    ピアノはダイナミクスの幅がとても広い楽器として知られていますが、キーボードは電気信号なので、ピアノのように繊細なプレイをしたり、ダイナミクスの幅を持たせることは難しいのです。
    それなのにゆきさんの演奏は、クラシックの一流のピアニストがグランドピアノを弾いているかのように、ppppからffffやsfzまでを表現してしまっていました。かなり衝撃でした。口開きっぱになりましたw。
    キーボ—ドで、あの繊細さと力強さとのダイナミクスの幅と、音色の多彩さかつ美しさは、もう意味がわからない(笑)。
    全身が連動して動いていて、そして指先に全神経が集中していて、音のアタックから、音の長さ、そして余韻とその切れ目にいたるまで、音の全てをコントロールしているかのような、鬼気迫る演奏でした。
    鍵盤の先に、ハンマーとピアノ線が見えてくるような、そんな演奏でした。
    もう、キーボードの概念を「破壊」してました。
    ぜひ、ゆきさんのグランドピアノでのソロライブが見てみたいです。

    ギターとピアノの他には、ドラムとベースとバイオリンという編成です。あ、あと表には出ませんが、エレクトロニクスを同期させるマニピュレーターの方もいるようです。
    ベースはエレキベースとアップライトベースを使い分けていました。ピッツィカートで弾く時の打撃音がたまに聴こえてしまっていたのはやや気になりましたが、距離が近いせいもあったかと思います。ギターのチューニングの生音だって聴こえてましたしね笑。
    ドラムはブラシやマレットも使っていて、彼の演奏もダイナミクスの幅が大きいクラシカルな演奏でした。
    ふと響きの余韻が耳に届く、ハイハットの使い方が絶妙でした。
    バイオリンは言うまでもなく、Anoiceにとってなくてはならない存在で、美しさと高貴さをバンドにもたらしています。
    ピアノとバイオリンが交差しながら奏でられる旋律は、どこか物悲しくて、3rdアルバムのアートワークや展示されていた新藤さんの作品のような、モノトーンの美しい情景を想起させます。

    木戸さんのギタープレイは、エフェクターを使って音響を作り出したり、アルペジオで小さく旋律を弾くような控えなものでありながら、バンド全体の音のことを知り尽くしているように見える確信犯的な演奏でした。
    左右のスピーカーからは、AnoiceをAnoiceたらしめているエレクトロニクスが流され、曲に深みと知的興奮とをもたらしていました。それを聴いて気がついたんですが、大宮ヒソミネはハコの大きさに対して音がすごくいいです。
    小さいハコだからこそ、下品な低音をブイブイ言わせるような音響ではなく、とてもモニター的で解像度が高く、左右の定位がばっちり決まっている音響でした。細かい音の粒の輪郭や位置までが明確に見えて、すごく良かったです。
    さすが、レーベルやアーティスト達が運営しているライブハウスです。

    3rdアルバム「The Black Rain」の曲を中心に、静かに、淡々と、そのダークな世界観で会場を満たしていき、
    そしてラストはもちろん「Finale」でした。
    「怒り、憎しみ、悲しむべき全ての感情の消化に捧げる。」という帯付きで売られていた「The Black Rain」という恐ろしいタイトルのアルバムの中でも、一際異彩を放っているのがこの「Finale」で、アルバムの曲リストの中でもこの曲だけ赤い字でクレジットされています。
    モノトーンだった彼らの世界のなかで唯一、赤い色彩も持った曲なのです。

    Anoiceではいままで使われていなかったプロジェクターも、この曲のときだけ、このPVの映像(特に戦闘機や戦艦)を映し出していました。
    ※最初はPVの映像を貼っていたのですが、なんとこのときのライブ動画がRiccoレーベルさんからアップされたので、貼りかえさせて頂きました。こっちのほうがライブの空気感も含めて、Anoiceというバンドと「Finale」という曲の凄まじさが、きっと伝わると思います。ちなみに、記録用の映像とのことで、ギターの木戸さんとバイオリンの藤原さんと、マニピュレーター(PCなどでスピーカーに音を流して演奏と同期させる人)の方はほぼ移っていません。でも、ぜひゆきさんの手や指先や全身の動きに注目して見てみて下さい。すんごいからw。


    そしてサビの部分では、ドラムとベースは強烈な4分アクセントのビートをたたき出し、おとなしかったギターは歪んだ轟音ノイズをかき鳴らし、ピアノはミニマルな旋律を指の筋が見えるほどに力強く叩き、その中心でバイオリンはまるで叫びのように弦をおもいっきり震わせます。
    それが2回、しかも2回目はさらにエスカレートして、会場全体をビリビリと震わせてくるのです。
    この音を聴きながら、「あぁそうか。音って、楽器って、バンドって、音楽って、、、
    ものすごくシンプルなことなんだな。」って思いました。

    「人間にとって、音楽ってもっとずっとシンプルで、もっともっと直接響くものだったんだな。」と。
    でもそのシンプルで当たり前のようにも思えるものを、最高の形で音に具現化しているバンドを見たのは、生まれて初めての経験でした。
    どこまでも幸福な音でした。どこまでも幸福な時間でした。

    顔の筋肉が弛緩して、自然に笑みがこぼれ、ものすごく気持ち悪い顔になっちゃうくらいw、幸せでした。
    身震いするような寒気を感じていたのですが、今までに感じたことのある寒気とは全く異なる寒気で、終わったあともしばらく立ち尽くしたまま、腕をさすり続けていました。
    あまりのすごさに感受性が「破壊」されました。

    終わったあとに、木戸さんともゆきさんとも話せたことが、感激でした。
    その鬼気迫る演奏や世界的な評価などからは、とても想像できないくらい、すごく緩くて、穏やかで、ますます好きになってしまいました。
    今年出るっぽいお二人のソロ作が待ち遠しいです。
    あと次は、RilFやMokyowのライブも見てみたいです。
    2ndアルバムが尋常じゃない完成度だったFilmsは、4月にモスクワでついに初ライブ(Anoiceも出演)だそうですが、日本ではライブをやる予定はないと、ゆきさんがおっしゃってました。寂しい。
    しかし、いまロシア行って大丈夫なのかw 
    気をつけて行って、ロシアの人の度肝を抜いてきて欲しいとおもいます。
    プーチンに聴かせてやりたいですねw

    3組目はsawakoさん
    sawakoさんはフィールドレコーディングで集めた音素材を加工・ミックスして、オーガニックなエレクトロニカの音響作品を作り出しているアーティストですが、今回はモロにノイズが全面に押し出されていて、少し驚きました。
    これは新藤さんのリクエストで、企画名「破壊」にちなんでの、ノイズバージョンだったそうです。
    その音楽は、まさに「破壊」のサウンドトラック。
    フィールドレコーディングで集められた質感と立体感のあるおもしろい音達が、
    轟音のノイズに飲み込まれたり、ノイズの水面から顔を出したり、またノイズの海の中に潜ったりを繰り返していました。
    すっごいノイズのただ中にいるのに、しばらくするとなぜかだんだん心地よくなってきて、下を向いて目をつぶり、
    立ったまま少し寝てしまいましたw。
    あの轟音のノイズの中心で、こっくりこっくりしていたと思うと、我ながら意味がわかりませんw。
    自らの人体のコントロールすら「破壊」されていたのかもしれませんね。


    そしてラストは伊藤篤宏さんです!!
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    蛍光灯を改造して自作したという、とてつもなく凶悪な楽器OPTRONを巧みに操る、
    光と影の支配者、伊藤オプトロン篤宏です!!www

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    自分は伊藤さんを見るのは3回目になります。でも実はソロで見るのは初めてです。
    伊藤さんは誰かとコラボしてることが多いと思うので、これまた貴重なライブですね。
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    こうやって蛍光灯を点灯させたり消したりさせながら、その電気信号をノイズとして音に変換して演奏しているのです。
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    足元にはエフェクターがたくさんあり、音を変化させたりしていました。
    DSC_1691_1_01
    また、このテルミンのような機械に蛍光灯のヘッド(?)を近づけたり遠ざけたりすることで音を歪ませ、変化させていました。
    ところで、伊藤さんは写真撮るのが難しいです。彼自身が発光体なので、露出とシャッタースピードの関係が難しくて、明る過ぎたり暗過ぎたりします。カメラマン泣かせのアーティストですね。でも同時にカメラマンが一番喜ぶタイプのアーティストでもあります。なぜなら、うまくいったときはめちゃくちゃおもしろい写真が撮れちゃうからw
    DSC_1769_1_02DSC_1870_1
    ソロの演奏を見て改めて思ったのですが、このOPTRONは紛れも無く"楽器"であり、
    伊藤さんのパフォーマンスはまさに"演奏"なのです。
    視覚と聴覚をパンクさせるような、その圧倒的なビジュアルと音のパフォーマンスは、一見すると無秩序のようにも思えますが、実はかなり正確に制御されたものなのです。リズムに乗ることだってできるほどに。
    DSC_1887DSC_1867_1
    ソロの演奏を間近で見て再認識したのは、このOPTRONという楽器の凄まじさです。
    その圧倒的な存在感、ひくほど図太く荒々しいノイズ、暗闇の中に走る一本の閃光。
    エフェクターによる、次元を歪めるようなノイズのうねり。


    自分の視覚と聴覚、おまけに触覚までもが、目の前で起きていることを必死で理解しようとフル稼働していました。
    まばゆい閃光と、心臓に響くノイズ。次の瞬間には、完全なる暗闇と無音。
    まさに「破壊」という言葉にピッタリの、この企画のトリを飾るに相応しいパフォーマンスでした。
    DSC_1879_1
    新藤さんの「破壊」のコンセプトに基づいて。たくさん散りばめられていた蛾は、伊藤さんのオプトロンの光に群がるのをイメージしてるらしいのです。
    そして伊藤さんのパフォーマンスはそれ自体がまさに「破壊」そのものでした。
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    終演後は伊藤さんのもとに人が集まり、オプトロンについて質問する場面も。このテルミンみたいなやつは、加速度センサーや距離センサーを利用したエフェクターとのこと。
    「あ、じゃあ蛍光灯の光に反応してるというわけじゃなくて、蛍光灯そのものに反応してるんですね。」と聞いたら、「でも明るい照明が当たってる中でギターのヘッドを近づけるのと、暗闇のなかで発光してる蛍光灯を近づけるのとじゃおそらく違うんだよね。」「だからこれはオプトロンにはうってつけなの。」ということをおっしゃっていました。
    なるほど。単純そうに見えて、ものすごく複雑ですね。電気やセンサーが絡むものの複雑さは割と理解しているほうだと思うので、この話は直感的にすごく納得しました。
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    そして、このイベントを企画した新藤さんが、オプトロンを触らせてもらって、伊藤さんに教えてもらっていました。
    新藤オプトロン洋子です!!(by Anoice 木戸さん命名)
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    そして最後に、この楽器と伊藤さんのパフォーマンスの凄さと、企画してくださった新藤さんと、このイベント全体に対しての、暖かい拍手をみんなで送りました。 完全にまぐれで撮れたけど、これはすごくいい写真。
    こういう、少人数だからこそのアットホームな雰囲気もヒソミネのいいところだと思います。

    伊藤さんが帰るときに外で少し話せたのも、すごく嬉しかったです。
    自分が見にいっていたFREEDOMMUNEのときとE-MAFのときの、貴重な裏話を聞くことができました!
    まぁ半分は愚痴でしたけどねwww!!

    もう、展示もライブも、そのすべてが自分にとってはドンピシャで、企画をしてくださった新藤さんには、
    感謝感激雨アラレちゃんなのです!! んちゃ!!

    あまりの喜びのあまり、我を忘れてはしゃぎすぎてしまっていたことは、後で冷静になってみたら恥ずかしかったので少し反省ですw。まぁこのブログを読み返してみたところ、まだまだ反省が足りていないのは明らかですがw
    でも、本当に幸福な夢のような時間でした。
    新藤さん、Ferriさん、sawakoさん、Anoiceのみなさん、伊藤篤宏さん、ありがとうございました。
    ヒソミネの方や、関係者のみなさん、一緒にライブを見てくれて、幸福な時間を共有し増幅してくれたみなさん、ありがとうございました。

    フォトセットはこちらです→http://www.flickr.com/photos/83797896@N02/sets/72157642599652864/

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    indigo jam unit "Milestone" release tour 2014@渋谷クラブクアトロ


    ついにindigo jam unitの「Milestone」リリースツアーに行ってきましたヨ!

    「Milestone」のCDとLPのストイックな作り込みと作り分けに心底感動した先日の記事はこちら
    indigo jam unit / Milestone

    それではサクサクっとライブレポ書いていきますよー。

    会場は「柱が邪魔だっ!」でお馴染みの渋谷クラブクアトロです(笑)!

    あー、みなさんわくわくしてますね!伝わってきますw

    上に貼った記事にもあるように自分はindigo jam unitのライブは新参なので、より一層わくわくでしたw。

    メンバーが出てくると「Milestone」の1曲目「Windscreen Rain」の美しいピアノイントロを樽栄さんが繊細に弾き始めます。そして次に清水さんのドラムの片手16ビートが加わり、さらに笹井さんの絶妙なベースラインが重なります。
    一度ピアノだけになり、次の頭で和佐野さんのラテンパーカッションが加わり4人のアンサンブルとなります。
    (ちなみにメンバーのプロフィールはこちら→http://www.basisrecords.com/indigo/profile.php#sasai
    これだけでもうすごい!4人のアンサンブルが絶妙すぎるのです!
    一発録りの編集無しで作品をリリースし続けているだけあって、音量や音色やグルーヴのバランス感が素晴らしい!
    静かな曲なんですが、4人が独立してそれぞれの色を保ったまま、全く同じブレンドで混ざり合っていて、
    繊細さと緊張感と一体感がすごかったです。そして聴く側には圧倒的な安心感を与えてくれます。

    間髪入れず2曲目は「Zeus」!!
    「Zeus」は清水さんのドラムが大暴れで「Milestone」の中で一番激しい曲!
    メイキングのDVDでもこの曲の一発録りに清水さんが相当苦労されてる様子が収録されていましたねw。
    さっきとは打って変わって、清水さんのフロアタムの6連符で始まり一気にハイテンション!
    会場も大盛り上がりです!!
    やはり特に、ベースをインターバルに挟んだドラムソロ!!
    CDとは比べ物にならないほど暴れまくっていて、CDとは比べ物にならないほどちょーかっこいいです!!野性的!!
    お客さんももう騒ぐ騒ぐw 歓声が自然に引き出されていきますw

    3曲目は「Hunt」(あってる?)
    この曲もドラムの基本ビートがタイトで緊張感のある曲です。
    バスドラとスネアのダブルストロークを絡めた手数の多いビートに、
    さらに和佐野さんがカウベルでダブルを重ねてくるのです。ノリノリになります。

    そして、ここで笹井さんの爆笑MCが入りますw なんだこのゆるさw
    エモいインストバンドのMCはどこもゆるいんですね。ギャップがおもしろいですw
    これからやる4曲の解説をしてくれましたが、テキトーすぎて解説になってないw
    「次にやる「Naja」はですねー。え〜、これはコブラです!(終了)」 会場爆笑(笑)
    「Milestoneは〜えー、Trickは〜まぁトリックみたいな〜、Watercolerは〜あのぉ〜水彩の〜」
    みたいな感じで全然わからんwww 
    あ、あとメンバー紹介もしてくれました。やっぱり清水さんがすごい人気だった。シミーねw


    そして4曲目は「Naja」(あってる?記憶が曖昧なのですw)
    「Naja」はタイトなベースラインがリズムをぐいぐい引っ張る7/8拍子です!!変拍子楽しすぎる!
    ベースすごい!アップライト・ベースと呼ばれるエレキのウッドベースなんですが、アンペグの上にもなにやら色々重ねられて、もう照明に届くんじゃねぇかってくらい高くなったアンプタワーに繋がれたその図太いサウンドが前面に出てバンドを引っ張る様はくそかっこよかったです。
    驚いたのはもうベース以外がちょー自由なところwww 
    笹井さんが支えるボトムの上で、ドラムすらも含めて全員がのびのびと暴れてました!
    これも笹井さんのテンポ感とグルーヴに絶対的な信頼があるからなのでしょう。
    なんでしょうね、なんか力強くグイグイと前進する重厚な貨物列車の上で、激しい乱闘をのびのびと繰り広げているようなw
    もちろん悪役はジョン・トラボルタ的なw そんな光景が見えてくるようです! 意味わかんないですね!すいません!

    「Milestone」は王道スウィングジャズであり、彼ららしいプレイもあって、
    現時点でのindigo jam unitの"マイルストーン"のような曲なのでしょう。
    ...あんまり"マイルストーン"の意味と使い方がわかってませんが(笑) あってる?
    とにかく樽栄さんの軽快なピアノのメロディとスウィングするビートが心地いいんです。
    ピアノ始めたのが20歳からとか信じられん。

    「Trick」は手数が減ったドラムでのスネア16分ずらしのシンコペーションがかなり効いていて、そこに絡むベースのループも前の小説を食っているので常に裏ノリを感じられるホッピングな曲です(笑) 
    basisの解説には「よく見ると不思議なトリックアートのように、一拍目の位置がどちらでもとれるような曲です」とありますが、それは自分にはどうゆうことかわかりませんでした。。。
    一拍目はどう考えても一カ所だと思うんだけどな。。。
    ベースのループの頭のことをいってるのか、それともドラムが最初に裏から入ってるからってことなのか、これはちょっとわかりませんでした。表だと思ってる部分が実は裏のまま進んでますよーってこと?でもベースのループが目印になるしな。この言葉の意味は何度聴いて考えても自分の無知さとリズム感のなさではわからなかったので、わかる方いたら誰か教えて下さい(切実)。

    「Watercolor」はピアノとベースは静かで美しいのに、ドラムは子気味よく軽快でおもしろい曲です。
    この曲では、わっさんこと和佐野さんがドラムでビートを叩いて、シミーこと清水さんはシンバルやタムで装飾的なドラミングを披露してくれます。ツインドラムです。素晴らしいです。見てて楽しいったらありゃしないw
    サウンドも楽曲も幅がめちゃくちゃ広いですね。さすがのキャリアを感じます。

    そしてここで、ゲストのFlexlifeの二人を迎えます。
    青木さんきゃわいい!笑
    大倉さんのアコギは、カッティング(かな?)のキレが鋭くて軽快かつグルーヴィーです!
    新作アルバムの中から、東京にいたときに作曲したという「Wild Cat Blues」と、
    震災のことについて考えながら作ったという「らんなうぇい」の2曲を披露してくれました。
    全部は聴き取れなかったけど「らんなうぇい」の歌詞はすごく気持ちが伝わってきました。
    青木さんの声が特徴的で、歌唱力も素晴らしくて、すごくよかったです。
    バックバンドの演奏はもちろんindigo jam unitで、支える役目に徹しながらも彼らのグルーヴになっていてよかったです。
    あとコラボしたカバーアルバムの「Vintage Black」からも1曲やってくれたような。かっこよかったです。
    ちなみにFlexlifeの新作はマイク2本のみで録音しているんだそうです!!(!?)
    しかも一発録りの編集無し!これはもう狂気の沙汰と言っていいw
    じゃあどうやってレベルを調整するかといったら、マイクとの距離だそうですw きょり!?!?!?www
    ドラムなどのでかい音の楽器は遠目にセッティングして、うまいバランスで収まるように調整してるんだとか。
    もうね、やり過ぎでしょw どんだけオーガニックサウンドなんだwww 無添加・自然農・生産者直送サウンドですね。
    ストイックすぎで、すばらしすぎで、ステキすぎです。


    「Corazon」は陽気でラテンなノリの曲です。和佐野さん大活躍です。
    そしてアルバムでも最後を締める美しいバラード曲「Shiosai」
    ピアノの繊細な...いや"潮騒"な旋律が美しくてドラムのブラシがまた美しい。
    そして和佐野さんのトライアングルに目がいきます。わっさんは高校で吹奏楽をやっていたそうで、自分も高校の頃は吹奏楽部でパーカッションをやっていたのでコンガやボンゴのプレイも含めてわっさんの存在感に目が奪われました。

    そしてカバーアルバム「impressions」から「Silverflame」という曲。
    デンマークの3ピースDizzy Mizz Lizzyというバンドのカバーらしいんですが、
    演奏の技術的な面ではこれが一番の衝撃だったかもしれません。
    美しく優しいピアノのゆったりとした旋律が軸なのに、
    倍のBPMのフィールでドラムが細切れのように断続的に崩したビートで暴れ回るんです!!
    でもピアノはピアノのフィールを決して崩さないんです。決して混ざることがないまま並列して、でも曲の中で確かに共存していて、そのままの状態でテンションだけがどんどん上がっていく!
    なんだこれ!!くっそかっこいいぜ!!

    そしてまたおもしろMCタイム。
    「最後はindigoらしく、ボカンボカンボカンとね!いきますよ!」と笑
    お客さんも大興奮。

    ラストの3曲は宣言通りボカンボカンボカンの怒濤のパフォーマンス。
    超絶技巧の圧巻のソロ回しや掛け合いがあって、最後はツインドラムで、リズミカルで軽快なピアノとタイト過ぎるベースを巻き込んだまま、ドラムも奏者も観客もぶっ壊れるほどの暴れっぷりで、エモさ爆発!!
    そんな曲が3曲連続ですよ!!もーね、興奮しすぎてアタマのネジがすっ飛ぶね!
    噂には聞いてたけどツインドラムの掛け合いやばすぎ!!
    踊る踊る。騒ぐ騒ぐ。ちょーエモい。
    その中でも一番ヤバかったのは、わっさんのドラムと笹井さんのベースで作るパートと、清水さんのドラムと樽栄さんのピアノで作るパート(組み合わせ逆かも)が、交互に1小節ごとに引き渡していって、それが2拍ずつになって、それが1拍ずつになって、半拍ずつになって、それがもう混ざり合って、なにがなんだかわかんなくなって、なんだこれめっちゃ楽しい!!
    もうすごすぎて爆笑w 笑いがとまらなくなるw

    アンコールでは、Flexlifeが再登場してカバーアルバムから名曲「Love Love Love」!
    そしてラストにもういっちょ、indigoの真骨頂である本能的なツインドラム破壊ジャムセッションを見せつけてくれました!!

    ソロや暴れっぷりで一番ヤバかったのはやはり清水さんです。樽栄さんの超絶即興プレイもすごかったけど、やはりラストのダイナミクスを一番支配していたのはドラムの清水さんだと感じました。
    あのjizueの粉川さんが「直感的なドラムに魅せられて」師事したというほどの清水さんは想像以上のヤバさだった。
    それが和佐野さんとのツインドラムによって増幅されて、ドラム一人では絶対に到達できない地点にまで押し上げられて、
    巨大な音圧の壁になってぶち当たってきて、心臓破裂するかと思った。



    総評:jizueよりも超絶プレイの掛け合いがスゴくて、Nabowaよりもダンサブルで、mouse on the keysよりもハイテンションで、
    そして!toeよりもエモかった!!!!
    いや、マジです。

    まぁtoeはエレクトロ要素あるしポストロックだから毛色が違ったりするんだけど、
    でも終わってみて「toeよりもエモいインストバンドがこの世に存在したんだな」って率直に思いました。

    感動と興奮と未知の体験をありがとうindigo jam unit。


    PAさんも、プロデューサーの立川さんもおつかれさまでした。ありがとうございました。

    以上、indigo jam unit「Milestone」リリースツアー@渋谷クラブクアトロのライブレポでした。

    (iPhoneで写真いじってたら止まんなくなったから遊んでみた。)

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    SCREAM OUT FEST 2014 @新木場Studio Coast ライブレポ!!!!

    去年に引き続き今年もキチガイさんたちの祭典SCREAM OUT FESTに逝ってきましたよ!!
    去年のSOFのキチガイライブレポ→SCREAM OUT FEST 2013 行ってきた!!
    いま読み返すとだいぶキチガイで恥ずかしいなw 今回はもう少し冷静で大人しい記事にしますよ!(←信用ゼロ)
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    SOFは5周年を記念して会場をクアトロから新木場Studio Coastへと大規模化。
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    前日の大雪のせいで開演に15分遅れながらもなんとか会場へ。
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    寒さに耐え、雪景色のトンネルを抜けると、そこは血の海でした。

    会場に入るとSOF常連のHER NAME IN BLOODがさっそく破壊活動を行っていましたw
    HNIBは相変わらずの凶悪っぷり!音の凶暴さとスクリームの激しさが尋常じゃない!
    新作のリリースやアジアツアーを経て成長したHNIBは貫禄すら感じさせる圧巻のステージで、まさにこのSOF2014の開幕に相応しいオープニングアクトでした!

    というか、やっぱ会場でかい!この規模でSOFとかヤバス!
    でも主催者側も会場のでかさにビビったのかフロアには柵が十字に設置してあって、日本中から集められたキチガイさん達にとってはやや暴れづらそうな印象です。
    しかしご心配なく(?)この柵は最終的には横の柵しか残らなくなりますw
    お次ぎはThe Word Alive!!!!
    きました個人的大本命!実は今年も参戦するか迷ってたんですが、海外勢最後の一枠がThe Word Aliveに決定したということで参戦を決定致しました!それくらい大好きです。
    もー盛り上がる盛り上がる!かっこよすぎる!
    エレクトロ要素も全体的な音作りも、デスパートやブレイクダウンの重さも、クリーンパートのメロのキャッチーさとアガり具合も、全てがツボをおさえております!
    デスからクリーンに移ったときのあの幸福感と高揚感!!
    そこからまたブレイクダウンしたときのあの心地良さと重厚感!!
    会場もみんなでシンガロングしたりスクリームしたりしてアホほど盛り上がってました!!

    ふと辺りを見渡すと、あれ?真ん中の柵がひとつ無くなってるw
    そしてキチガイさんたちのキチガイピットが誕生しているではないですかw  
    ひゃっほい!!(←地獄に呑み込まれた)
    ジャンプ、ヘドバン、モッシュ、ストーム、ウィンドミル、テコンドーモッシュ、レッキン、肩車、ダイブ、相変わらずなんでもありの戦争状態w
    ストームは会場の広さもあってすごく横長でめちゃくちゃ楽しい濁流でした!後頭部2回強打したけど!
    IMG_0396.jpg IMG_0407.jpg
    ギター上手い!!ドラムのLuke Hollandはもうオタクレベル!!ライブのクオリティーがヤバい!
    そうなんですこのLuke Hollandのドラムが見たかったのも大きかったんです。
    彼はいまどきのYoutube出身ドラマーで、以前Skrillexのドラムカバー動画とかを漁ってたときに一人おかしなレベルのやつがいると発見したのが彼でした。

    この他にも、メタルコア系バンドのドラムカバーをたくさんアップしてるんですが、ちょうどドラムが脱退して困っていたThe Word Aliveのメンバーが目を付けたのが彼だったのです。その当時なんと18歳!
    度重なるメンバーチェンジを経て割と苦労しているThe Word Aliveですが、最高のドラマーを手に入れて最高のバンドへと成長してくれました。今年出るっぽい新作が楽しみです!
    ちなみにLukeはいまもYoutubeへの投稿は続けていてPeripheryのあの変態ドラムなんかもさらっと叩いてしまっています。恐ろしいw Youtubeの彼のチャンネル→https://www.youtube.com/user/LukeHollandDrums?feature=watch
    短めだけど変態ぶりを体感するには十分すぎるLukeのドラムソロも飛び出して、The Word Aliveも終盤戦へ!
    キラーチューンの嵐と観客の嵐で、会場の熱気はとんでもないことになっていて、もう吐きそうでしたw
    ボーカルも観客もゼーハーゼーハーいっててw 飛び出した言葉は「Fu◯k You!!!!!!!!!」←www
    テンションも最高潮になって気付いたら宙を舞ってましたw 
    残ってた柵を利用しての高いところからのダイブは最高に気持ちよかったです!
     ぷらっちっく製のブレスレットと内蔵が破壊されたけどw
    相変わらず恐ろしいなw
    他にもくつが片方すっ飛んじゃった人とか、鍵がすっ飛んじゃった人とか、頭のネジがすっ飛んじゃった人とかがいましたwww
    ところで2014をMMXⅣって書くのはかっこいいですね。

    3組目はCRYSTAL LAKE!!かっこいい!

    このイベントでは終始、人が宙を舞っているw
    CRYSTAL LAKEは知らなかったんですが、MCでボーカルが23歳だと言っていました。同い年!信じられん!
    そしてMCで、先日大事なバンド仲間の友人が自殺したことを告白し、
    「いいか!お前ら絶対死ぬなよ!」「どんなに苦しくても、どんなに夢破れても、絶対に死なないで下さい!」
    「いいか!死なないんじゃねえ!おれたちは生きて!生きてやるんだ!」
    「おれたちは、そういうメッセージを込めて音楽やってます。」「お前ら自分の道を行けよ!」
    とめちゃくちゃアツく語っていてマジで感動しました。いやホントに。
    ちょうど同じくらいの年齢でバンドを真剣に頑張ってる連中を何人も知ってるし、周りの人が就職したり結婚したりしていく中で、バンドに限らず世間の大流から逸れてひたすらに自分の道をいくということの厳しさや孤独感や疎外感を知っているから。
    いいやつだな。いいバンドだな。まさかSOFにきてこういう感動をするとは思わなかったw

    そして最後はセキュリティーさんに無理を言って観客をステージ上にあげて、全員で大合唱。
    「We Are Not!! We Are Not!! We Are Not Fuckin' DEAD!!!!!
    伝わりました。くそかっこよかった。

    今回のSOFでは転換中のBGMはDJとしてTHE GAME SHOPが演出してくれてました!
    それも最高によかった!ダブステップミックスで踊れる曲が畳み掛けてきて、おいおい休めねえじゃねぇかw!という状態に。
    SOFということも意識してか、スクリーモバンドFrom First to Lastのボーカルとしてキャリアをスタートさせて、いまや世界的なダブステップアーティストに成長したSkrillexの曲もかけてくれて、もう踊り狂ってしまいましたw
    Skrillexの曲は強制ダンスチューンですからねw


    そして4組目はPeriphery!!
    Djent(ジェント)というジャンルというかムーブメントのパイオニアであり代名詞的な存在です。

    ジェントというのは7弦ギターもしくは8弦ギターの低音弦上でのパワーコードとブリッジミュート(倍音を抑え、低音を強調するために用いられる奏法)によって得られる独特なディストーションサウンドを擬声語として表したものであり、 日本語では「ズギョン」「ズギャウ」程度の意味である。 ※wikiより転載


    ズギョンwww ズギャウwwwww DQNwwwwwww←これは違うかw
    Djent系のバンドの中でもPeripheryはプログレメタル的な複雑でテクニカルな演奏と王道メタルコアの要素を併せ持っていて、新しさとキャッチーさを兼ね備えたいまノリに乗ってるバンドです。
    日本でも相当人気があるみたいで、熱狂ぶりに驚きました。ウインドミルやテコンドーモッシュがはんぱないw
    自分も負けじと自我を失いましたw←

    バカテク過ぎて、ジャンプもモッシュも止めて見入ってしまうほどwww
    なんじゃこりゃwww

    ギタリストの一人がステージダイブしてきたw 弾けよw

    特徴的なギターの重厚なサウンドとちょいちょい耳に残るギターリフがかっこよくて、
    変態的な高速変拍子もかっこよくて、もうリズムが複雑でノリきれないときとかもあって、幸せな時間でした。
    全員の演奏技術がハンパなくて、しかもボーカルもとんでもなかったんです。
    スクリームがヤバかった。なんであんなに長いスクリームができるんだ? すごかった。


    5組目は、すっかりベテランになってしまったFear, and Loathing in Las Vegas!!!!
    相変わらず、若さとチャラさとかっこよさが同居してます!
    実は自分はラスベガスがあんまり好きじゃありませんでした。
    ラスベガスがアニメ曲というタイアップ付きでポンと出てきたことで、日本でも一気にスクリーモが認知されましたが、
    それは必ずしも洋楽のスクリーモ/ポスト・ハードコア/メタルコアの流れや進化の歴史までを汲んだものではありませんでした。
    当時の日本ではラスベガスは突然変異的に生まれたパイオニア的存在として見られていたように思います。
    まぁ日本におけるスクリーモのなかではパイオニアであることは間違いないのですが。
    でもfinchやSOTYなどのスクリーモ創世記まで遡って、SAOSINやAttack Attack!などの時代を変えたバンドを通ってこのジャンルを追ってきた熱心なスクリーモファンとしては、少し寂しい気持ちがしました。
    突然変異でもなんでもなくて、ラスベガスはちゃんとスクリーモの歴史や海外のバンドを研究して、スクリーモ/メタルコアにシンセとオートチューンを使ってエレクトロを取り入れるという、当時世界的に一番流行っていた音を日本に届けてくれただけですからね。
    でもいまはそんなことすらはるかな過去の話になっていて、日本と海外の隔たりももう無くなってきて、スクリーモの歴史とかももうどうでもよくなってきてます。それだけ世界的にメジャーで一般的に認知されるジャンルへと成長したんです。
    そうなってようやく、素直な気持ちでラスベガスも聴けるようになりました! そして素直な気持ちで聴いてみると、、、
    fc2blog_201402121730542ec.jpg
    結局やっぱ若い!チャラい!カッコいい! 感想はおんなじだw!!
    でもライブのクオリティーがホントに高いですね。あれだけエレクトロ多用してるのに音源の再現力がすごいです。
    激しいスクリームやオートチューンで歪ませたハイトーンボイスもかなり再現しててすごかったです。やはりさすがですね。

    もうさすがに疲れたよ。だってほら、時計も壊れてるよw。レモンが散乱してるのはまだいいよ、でも時計はオカシイだろw
    この部分が壊れて外れるってどういうことなの?w


    大トリはTHE DEVIL WEARS PRADA!!!!
    自分としては、The Word AliveとPeripheryが本命だったので、THE DEVIL WEARS PRADAは真ん中の柵の後ろの安全地帯で見ようと決めてました。

    でも見始めると、あれ?この辺で大人見してる人たちとおれのノリ方ってテンション違いすぎるなw
    なんでみんなこんなに大人しく見てるんだ?なぜ頭が自然と前後に振り子運動を始めないんだ?w
    うーん、つまらなくなってきたぞー。あー前の方は楽しそうだなぁ。いいなぁ。
    でもおれはもう体力が限界だし、この辺から見るって決めたしなぁー、、、。

    ひゃぁっほい!!←もうおれは誰にも止められないw

    暴走機関車(ストーム)!! 腕ぶんぶん丸(ウィンドミル)!!
    90°の振り子運動(ヘドバン)!!  無酸素地獄(ジャンプとモッシュとスクリーム)!!
    あひゃひゃひゃひゃ!!楽しすぎりゅー!!


    ということで今年も完全燃焼どころか燃えカスも残らないほどの壊れっぷりで終えたSCREAM OUT FESTでしたw。
    一年間で最も自我を失う儀式が今年も無事に終了しましたw。
    DSC_1477
    バキバキになった体を休めねばw
    DSC_1478
    以上、SCREAM OUT FEST 2014ライブレポでしたー。

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    佐村河内守の交響曲第1番「HIROSHIMA」とはなんだったのか。〜名前と心を失った交響曲〜

    「現代のベートーベン」ともてはやされた全聾の作曲家・佐村河内 守が、18年もの間ゴーストライターを使って作曲していたということが、ゴーストライターを務めていた新垣氏本人の口から明かされて、世間に衝撃が走っている。
    連日の報道を見ていると、この問題に対しての関心の高さ(あるいはTV的なネタとしての面白さ)がうかがえる。

    この報道を受けて多種多様な反応があった。
    詐欺師だ、障害を売り物にした、ファンを欺いた、被爆者や被災者を愚弄した、という怒り。
    著作権の所在はどこか、作曲とはなにか、作品と作家とはなにか、という問いと戸惑い。
    物語を買っていた、音楽の聴き方とは、音楽の理解のされ方とは、という根源的な議論。
    なぜ検証されなかったのか、なぜここまでミーハーな盛り上がりを見せてしまったのか、というメディア批判論や自虐的な大衆論。
    たったひとつの大きなウソは、自らの化けの皮を剥がすと同時に、次から次へと現代の芸術やこの社会の化けの皮までも剥がしてしまったと言える。
    様々な疑問や問題が次々と浮かび上がっては消えていくこの現象は、まるでタマネギの皮むきのようで、その中心には実は何もなかったのかもしれない。

    しかし自分としては、どの報道を見ても、誰の記事を読んでも、あまりしっくりこない。
    だれも、この問題の真に考えるべき本質を捉えていないと感じるからだ。
    おいおい、この問題を矮小化しないでくれよ。著作権なんてもうどうだっていいし、メディア論なんて聞き飽きて耳にイカだぞ、大衆の音楽への向き合い方なんて音楽史が始まって以来ずっとそうだったろうに、なにを今更得意げに当たり前のことを言っているんだ、、、と思ってしまう。

    この問題は、そんな小さな問題をつついたり、以前から指摘されていたような現代社会批判を蒸し返したりするだけでは到底済まされない、極めて重大な問題だと自分は思う。それをいまから自分なりに書いていきたい。

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    これが問題のCDだ(笑)。「交響曲第一番"HIROSHIMA"」
    NHKスペシャル『魂の旋律〜音を失った作曲家』という番組で紹介され、大反響を巻き起こし、クラシックとしては異例の18万枚もの大ヒットを記録してしまった問題作である。
    そう、自分はこれを持っている(爆笑)。いまはもう話題のCDではなく、被害者であり、踊らされたピエロであり、バカでミーハーな大衆のひとりであることの認定証となってしまったがwww
    あまりにも恥ずかしいのでひとつ言い訳をしておくと、NHKスペシャルの放送は2013年3月31日だが、自分がこれを買ったのは2013年の2月6日よりも前だ。(確認したらiTunesにリッピングしたのが2/6だった)
    といっても全聾ということは当然知ってから買ったし、2月の時点ですでに話題にはなり始めていたと記憶している。
    しかし、3月31日以降には2月とは比較にならないほど大きな話題となり、CDショップには特設コーナーが設けられ、「NHKスペシャル」「現代のベートーベン」という文字が踊っていて、それには自分も違和感を感じていた。
    だがその違和感は、誇大な売り方と熱狂的な受け止められ方に対してのいつもの感じであり、作品に対するものではなかった。

    もうひとつ言い訳をさせてもらうと、自分は普段から(熱心なクラシックファンほどではないが)クラシックも一応は聴くし現代音楽も聴く。CDやレコードもそこそこ持っている。
    このCDについても、どちらかというと全聾ということよりもヒロシマについて描いた作品であるということの方に関心があったし、曲を試聴してみてこれは一聴の価値があると判断したから買ったのだ。
    特に、ロックやJAZZでもそうなのだが、自分は政治的なメッセージを含む音楽やコンセプチュアルな音楽が好きだ。
    しかし現代の交響曲において、そういうメッセージを含む音楽というのは少ないように思う。(自分が無知なだけかもしれないが)
    吹奏楽曲だが天野正道作曲の交響組曲「GAIA」は、ジェームズ・ラブロックの「ガイア理論」をもとに人類が地球環境にもたらす影響などについて描いており、非常に強いメッセージ性を帯びたコンセプチュアルな作品となっている。
    あと、吉松隆によるオーケストラ版「タルカス」も素晴らしい。あんなに明確にコンセプチュアルな作品は他にないw まぁ冗談はさておいてw←
    そういう音楽が好きな自分にとっては、全聾で被曝二世の作曲家がヒロシマについての交響曲を完成させたとなれば、聴いてみたくなるのは当然のことだった。
    また、ひとつ前のindigo jam unitの紹介記事のように、自分は時代に流されずに明確な信念を持って作られる創作物を求めてきたし、それが「本物」であるかを見極める能力を自分なりに磨いてきたつもりだった。
    そしてこの「HIROSHIMA」を聴いて、コンセプトが明確な割にはわかりづらくて掴みづらい助長な曲であり、絶望に落ちては彷徨って上がって、また落ちて彷徨ってはまた上がってという難解で出口の見えなさがあるが、最後の最後は明確な希望へと導いてくれる曲であり、全聾であるからこそこの曲調になったのではないかとさえ感じ、世間の評判ほどに騒がれる音楽ではないがこれは「本物」であると確信していた。(これは本気で恥ずかしい。自分の耳や目や感性に心底腹が立つ。)

    ちなみにさっきAmazonを見てみたらプレミアが付いていたが、その現象だって同じことを繰り返してるだけじゃないかアホらしいw ミーハーどもめw と思ってしまう。←
    Amazonのレビューも炎上しているが、ここでもちぐはぐで表面的な意見ばかりが目立つと感じる。
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    演奏は、日本クラシック界最高峰の大友直人指揮の東京交響楽団だ。しかもライブ録音ではなくてセッション録音だ。
    これを一体どう疑えと言うのだw 無理だろ!お前ら普段オーケストラなんか聞きもしないくせにここぞとばかりに買った18万人をバカにしてんじゃねぇぞアンポンタン!(半泣き)
    そう。大友直人や東京交響楽団の団員、楽曲解説とコメントを寄せた長木誠司、日本コロムビアのスタッフ、そして当時この曲を評価した音楽評論家達、彼らでさえも皆まんまと騙されてしまっていたわけだ。
    いまになって、「やっぱりな」とか「わかっていた」的なことを「誤解を恐れずあえて言わせてもらうが」的な前置きをしたうえで言い出す評論家や聴衆たちには「わかってたのはわかったからちょっと黙ってろオタンコナス」と言いたい。
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    読めますかね?もう著作権とか知ったこっちゃない状態だし、肝心の中身に触れられる機会が極端に少なくなってしまったので、解説やコメントなどのブックレットの写真を全ページ分載せます。
    これは東京大学大学院教授で音楽学者の長木誠司氏のコメント。
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    いま曲を聴きながら読んでいても、なるほどなと感じる。(後で詳しく書くが、それこそが大問題なのだ。)
    苦悩や病理の自覚化による交響曲への昇華を初めて試みたのはマーラーであると指摘し、しかし戦後30年経ってから西洋音楽へ参入し自らの非同時性を認知した日本の創作では、あまりにも文脈が違い過ぎてそんな音楽を書く意味がなかった。また「ヒロシマ」を問題にすることは逆に政治性を帯びすぎて(文脈に適合しすぎて)難しかった。
    としたうえで、佐村河内はあまりに大きな政治性と歴史的時宣性を帯びた「ヒロシマ」というテーマを個人の苦悩として語れるようになった歴史的位置にいる。と書いている。
    「そこではもはや『交響曲の歴史が終わった』という歴史認識自体が歴史的なものとなっている。」
    「もしわれわれがこの長大で、形式的には晦渋な交響曲を少しでも難解だと感じることがあるとすれば、それは21世紀のわれわれがあまりにもこの作品を深く「理解」し、その世界に「共感」してしまっているからにすぎない。」
    なるほど納得のさすがの考察だ。これによってこの作品を受け入れ理解を深めることができたのは紛れもない事実だ。
    (そして、それが大問題なのだ。)
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    この写真ちょーウケるwwwwwwここからは楽曲解説。
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    「作曲者自身(佐村河内)のコメントによれば、第1楽章が「運命」、第2楽章が「絶望」、第3楽章が「希望」とされている。」
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    第2楽章、第3楽章の解説文では一文目で「形式的に明確ではない」ということが書かれている。(これも重要。)
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    このプロフィールもめっちゃウケるwww
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    英文での解説までついちゃってるんですよこれ。どうするんですかw。
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    大友直人さんと東京交響楽団の紹介。彼らも被害者であるが、日本オーケストラ界最高峰の彼らが譜読みによって理解と解釈を経て、演奏し表現し、ホールに高らかに響いたその音楽は、その時点では紛れも無く「HIROSHIMA」であったはずなのだ。
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    最後はプロダクションノート。
    「佐村河内さん自身は、この作品を闇の音楽と呼んでいます。(中略)80分の旅を経て、最後の天昇コラールが鳴り響いたときの感動、それはまさに闇に降り注ぐ「希望の曙光」に感じられます。」とある。その通りだ。この音楽は当時、そう解釈する意外考えられなかった。

    では、ここから問題の核心に触れていこうと思う。
    この曲を実際に作曲していたのは、佐村河内氏ではなく、ゴーストライターの新垣氏であった。
    それだけならまだよかった。「騙された!ふざけんな!ペテン師め!金返せ!」と叫ぶだけで済んだ。
    しかし、新垣氏はこの作品をゼロから作ったわけではなかったのだ。
    佐村河内氏の独自の図形譜面や細かいメモによる「発注書」をもとに作曲していたのだ。
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    その「発注書」がこれだ。
    これはなかなか興味深い。かなり細かくダイナミクスや音のブレンド、情感表現まで指示されている。
    現代音楽ではなく調性音楽として、伝統的西洋音楽の方法論をふんだんに取り入れて、しかしそれを非常に現代的で野心的なものにアップデートしてやろうという野心をひしひしと感じさせるものになっている。
    問題なのはこれが『HIROSHIMA』ではなく、「祈り部」「啓示部」「受難部」「混沌部」の4つの主題によって展開される『現代典礼』という曲だということだ。
    当然、新垣氏はこの発注通りに『現代典礼』という曲を作曲したのだ。
    しかし、そのできあがった交響曲を『HIROSHIMA』として売り出してしまったのは他でもないこの曲の原案者である佐村河内氏なのだ。
    この発注書を見ただけでは、どれほど明確に佐村河内氏の頭の中で音楽が鳴っていたかまではわからない。
    しかし、少なくともイメージや主題、曲の根幹となる部分についてはこの時点では明確だったように思える。
    そして、新垣氏も「この発注書がなければ自分はこの曲を作曲できなかった」という発言をしている。
    それだけ明確なイメージと輪郭を自分の中に持っていたにもかかわらず、佐村河内氏はこの曲を『HIROSHIMA』として世に送り出した。しかも自分で「第1楽章が「運命」、第2楽章が「絶望」、第3楽章が「希望」である。と語り、「原爆投下直後の二十分を描く」とまで語っている。
    だが当然のことながら新垣さんが作曲した時点では「原爆のことは全くイメージしていなかった。」のだ。

    この嘘にまみれた悲劇の交響曲を、われわれは、どう再解釈したらよいのだろうか。
    これこそがこの問題の核心である。

    純粋に曲としてのことだけを考えれば、「これは編集者として佐村河内氏が発注したものを新垣氏が作曲した『現代典礼』という曲である。」と解釈し直すことができる。
    「この曲を気に入った人は、これからは新垣さんの曲として純粋な気持ちで聴けば良い。」という意見も散見する。
    しかし、そんな簡単に済ませてしまうことはできないはずである。

    そこにはいくつかの理由があるが、ひとつは原案者である佐村河内氏自身が、このできあがった曲を再解釈し『HIROSHIMA』として売り出してしまっている点だ。
    (ここで問題となるのは「楽譜が書けないということは正確な譜読みもできなかったのではないか」という疑惑と「実は全聾ですらなかったのではないか」という疑惑。できあがった『現代典礼』はその時点では譜面なので、それを読めなかったのであれば再解釈して題名を変えるなんてできるはずがない。あるいは聴こえていたのだとしたら、曲を聴いて彼の中で明確に再解釈して『HIROSHIMA』として売り出したのかもしれない。そしてもうひとつは、ただ話題性を得るためだけに音楽的なことは全く無視して題名だけ『HIROSHIMA』として売り出したのではないかという疑惑。)

    そしてもう一点、上述の()内の過程がどうであれ、この交響曲は『HIROSHIMA』として広島交響楽団によって世界初演され、それを引き継いで広島初演版に基づく改訂版の第1,第3楽章が大友直人指揮の東京交響楽団によって東京初演されたのだ。その時点で、この曲の解釈も表現も、そしてホールに響く音楽も、紛れもなく『HIROSHIMA』であったのだ。
    そしてそれはそのまま聴衆に『HIROSHIMA』として受け入れられ、そこに込められた(とされた)メッセージも曲を通して真摯に受け取られて、高く評価された。この時点での評価は純粋に『HIROSHIMA』というこの交響曲に対してのものであったはずだ。

    そしてその後、さらにメディアの誇大な物語先行の宣伝によって、全聾であることと被曝二世であることが広く知られ、それを前提とした大衆による熱狂的な評価に再び塗り替えられたのだ。これは広島および東京初演時の評価や解釈とさえもまた異なっている。

    では、交響曲はいつ完成するのだろうか?

    楽譜が出来上がったときだろうか。実際にオーケストラによって鳴らされたときだろうか。
    聴衆に受け取られ、評価されたときだろうか。それとも遥かなときを超えて普遍的な評価が定まったときだろうか。

    この交響曲はいったいなんなのか、これからなんと呼べばいいのだろうか。

    もとは新垣氏作曲の『現代典礼』かもしれないが、日本最高峰の一流のオーケストラによって再解釈・再構築され『HIROSHIMA』としてすでにわれわれに届けられてしまったではないか。
    そして一流の音楽学者である長木誠司氏の解説やコメントによって、曲を聴いただけではわかりづらく難解だと思っていたそれに明確な解釈の仕方を見いだしてしまったではないか。
    その証拠に、この原案の発注書を見てこの曲を聴きながら『現代典礼』として再解釈しようとしても、どうもしっくりこない。
    だが、嘘が暴かれてしまったいま、この曲が『HIROSHIMA』であると一点の曇りもなく信じて聴くことはできないし、ましてやそこから「ヒロシマ」や原爆のことについてのメッセージを受け取り想いを馳せるなんてことはもう不可能だ。

    それに、いくら割り切ろうとしたとしても、
    音楽そのもとしてのみ純粋に音楽を受け取るなんてことはほぼ不可能だ。
    今回のことについて「ほらみたことか、お前達は純粋に音楽を聴いていない。物語を聴いていただけだ。今回はそれが作り物だっただけだ。」という人も多いが、では純粋に音楽を聴くとは一体どういうことなのか説明して欲しい。
    そういう人たちは、その作品の背後にあるものを全て(作家すらも)完全に切り離した上で、その作品を人間的な感性のみのガチンコ勝負で受け取っているというのだろうか。すごいなw ジョン・ケージじゃあるまいしw

    作品と作家とは当たり前に不可分なのだ。これは芸術全てにあてはまる。
    作品のテーマやその背景、作家の性格や哲学、作家が何に影響を受けそれを創作しえたのか、そこに付随する物語、
    それらを元に作品の理解を深めるということは当たり前のことだし、それがなければ深い理解も感動もできるわけがない。
    作品の背景や作家の哲学は作品に反映されるし、逆にその作品が作家自身に影響を与えたり作家を縛ったりすることもある。そうやって螺旋状に作品と作家はより強く結びついていく。そして作品と作家は丸ごと、より深く理解され、より高く評価されていくんだ。
    だからインタビューを読んだり、著書を読んだりするんじゃないのか。少なくとも自分はそうだし、いままでもそうやってできるだけ作品に対する理解を深めようと自分なりに努力してきたつもりだ。それはこのブログの過去の記事を読んでもらえばわかってもらえるはず。

    そしてそれはこの交響曲『HIROSHIMA』に対してもそうだ。作曲者(とされていた人物)が被曝二世であること。さらに全聾でありながらこの長大な交響曲を書き上げたということ。そこに込められたメッセージ。それが音としてどう響いているのか。それをどう解釈してどう受け取ったら良いのか。
    かなりわかりづらかったから、長木誠司さんの解説やコメントを参考にしたりもした。そうやって自分なりの解釈でこの曲を聴いていた。
    18万人全員がそうだとは言わないが、18万人の中の本当に音楽が好きな多くの人は、そうやってこの交響曲についての理解を深めようとしたはずだ。

    だが、その一番根っこの部分に大きな嘘があった。
    このたったひとつの真実の告発だけで、これまでのそれら全てがなかったことにできるのだろうか。
    長木誠司氏や大友直人氏や東京交響楽団などの一流のプロの解釈やそれに基づいた演奏も含めて、自分たちがそう信じてそう聴いてきた音楽は、全部がなかったこととして、自らの感性の恥ずかしさとともにフタをして忘れ去ることができるのだろうか。

    さらに言えば、だとしたらこの交響曲を真に把握している人間は誰一人としていないのではないか。
    新垣氏の手元も離れ、佐村河内氏の手元も離れ(そもそも嘘で塗固められていたが)、曲のみが独り歩きし、たらい回しにされ、勝手に塗り替えられ、熱狂を受け、名前も意味も変わってしまった。

    両親にさえ見捨てられ、自らの名前や存在意義すらも見失ってしまったのだ。
    だとすればこの曲は「捨て子交響曲 "ポスト"」とでも呼ぶべきなのか?
    おっとこれはさすがにブラックが効きすぎていたかw スポンサーいなくなっちゃうよw
    あるいは虚構響曲「ゴースト」か。

    だれかこの交響曲の再解釈の仕方を教えてくれ。このままじゃ気持ち悪くてしょうがない。
    頭を壁にガンガン打ちつけたくなってくるぜwww
    だけどそこに向き合わなければ、自分の感性やプライドに失礼ではないのか。
    騙されてしまったまま「騙された!許せない!」とだけ叫んでこの曲を闇に葬ってしまうのか。
    ならばわれわれにとっての交響曲とはなんだったのだ。旋律はなんでもよかったのか?
    テーマは後乗せサクサクでもよかったのか。その旋律からは何も読み取れていなかったのか。真摯に受け取った「ヒロシマ」に対するメッセージすらも嘘だったのか。そのときの感動した気持ちも嘘だったのか。
    われわれにとって音楽とはなんだったのか。いままでいったい何を聴いていたのか。芸術とはいったいなんなのか。


    いやまてよ、、、もともとが嘘によって作られた名前も中身もない音楽だからこそ、こんなに不明確でわかりづらく響くのか?

    だとしたらこれは、音楽的にものすごくおもしろいことが起きているんじゃないのか?

    CDのヒットチャートにCD付き握手権やCD付きライブチケットばかりが連なる現代社会の音楽のあり方に対して、自らの存在をもって疑問を投げかけ、メディアや聴衆に対する皮肉を含み、さらにそこに現代に対するメタ的な視点さえも持ちえている交響曲なのか?

    偽りに偽りが重なって創作されて、誇大に急速に拡散され、ひとりでに巨大に膨らんでいった結果、
    その創作物を原案者も作曲者も含めて誰一人把握できていない。
    交響曲自身すらもその音をもって自らを語り切れない。
    ある意味すごく現代的で今日的な現象をこの交響曲は身をもって示している。現代典礼(笑)。
    現代典礼とはよくいったものだw もう「交響曲第1番"現代典礼(笑)"」として再解釈する意外ないのかもしれない。

    それくらい、この事件は、芸術に対してあまりに根源的で厳しい疑問を突きつけてしまった。

    これは、音楽史に残る大問題だ。
    著作権とか詐欺とか損害賠償とかそんな小さい問題でもないし、聴衆がばかだったとかメディアが悪いとかいうだけの問題でもない。誰かが謝って済むんだったら警察犬はいらねぇんだよ。

    今日、「交響曲の歴史が終わった」という歴史認識自体が歴史的なものとなっている21世紀において、現代社会全体の合作として、かつてない方法によって、かつてない交響曲として、
    われわれの信じる芸術とはいったいなにか?そこに本物なんて存在するのか? 
    そう旋律自体が直接的に響き、われわれに厳しく問いかけてくる、名前も心もなく、そこに責任をもつ者さえいない無機質で長大な交響曲が完成されてしまったのだ。


    おいおい、ついに交響曲もここまできたかw

    ちなみに、この問題には自分の中で既視感があった。
    あのバンクシーが監督したドキュメンタリー映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』だ。
    この映画のなかでバンクシーはあのマドンナのポップアートなジャケットでも知られるミスター・ブレインウォッシュが、実はニセモノであり虚構であるということを暴きながらも、その背景にある現代社会の芸術に対する姿勢や、そもそもの芸術の意味や価値とはなにかということまでを非常に鋭く我々に問う。
    その映画を見たときも、MBWを笑ったり、MBWを高く評価した人たちを糾弾しても、この問題の本質にはたどり着けないと感じた。
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    この問いに対する明確な答えはみつからない。
    われわれはいまだに芸術というものがなんなのか、その輪郭すらつかみきれていない。
    もしかしたら、その真ん中には最初からなにもなかったのかもしれない。
    いまひとつだけ言える教訓は、われわれが歴史の上の最先端の地に立っているという奢りを捨てて、自分自身の頭と感性で真剣に一から芸術と向き合いなさい。ということだろうか。

    佐村河内氏の行為はれっきとした詐欺であり、聴覚障害を売り物にし、被爆者や被災者の想いを踏みにじるものである。
    そこに対する怒りは自分の中でもものすごく大きい。
    それでも、それにまんまと騙されてしまっていた自分の耳や目や感性に対する失望や怒りや恥ずかしさのほうがよほど大きい。
    だから、せめてこの記事を書くことで、まんまと騙されてしまった自分の情けない感性に対する最大限の言い訳とさせてもらいたい。

    テーマ : 音楽    ジャンル : 音楽

    プロフィール

    Sohei.S

    Author:Sohei.S
    多趣味というか関心のあるものが多いので、政治的なことから趣味のことまで、書きたい事はなんでも書いていこうと思います。
    ちなみに主な趣味は映画、音楽、オーディオです。3つとも割とどっぷりいってると思います。あと最近、写真も趣味に加わりました。
    映画は単館系のドキュメンタリーから、シネコンの娯楽映画や映画音響やIMAXの話まで。
    音楽はジャズ/クラシック〜ポストハードコア/メタルコア〜エレクトロニカ/ポストロック/ポストクラシカルまで、かなり雑食にオールジャンル聴いてます。ドラムとパーカッションやってたので演奏や音楽史にも興味あります。あとミックスやマスタリングなどにも興味があります。
    オーディオはポータブルとホームオーディオ両方です。ケーブルとかポタアン自作したりもしてます。
    拍手、ツイート、コメントなど大歓迎です。
    それではよろしくどうぞ〜m(_ _)m。

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